【活動報告】6/6 Vリーグ女子・福岡ギラソール、コンプライアンス・個人情報保護・情報セキュリティ研修を実施――生成AIを活用したアンチ・ドーピング検証と、現代のデジタルリスク・ハラスメント対策を網羅
女子バレーボールリーグ(Vリーグ)に所属する福岡ギラソール(以下、当チーム)は、2026年6月6日(土)、選手・監督・コーチ・スタッフ・社員およびすべての関係者を対象とした「コンプライアンス・個人情報保護・情報セキュリティ」の研修を実施いたしました。
本研修の講師は、当チームのCTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)であり、情報セキュリティやコンプライアンス、個人情報保護の最高責任者を兼任する石橋浩二が務めました。

昨今のアスリートを取り巻く環境の変化やデジタルリスクの多様化、解釈が厳格化する個人情報保護法に対応し、旧来の形式的な座学に留まらない「実効性」と「最先端技術(生成AIなど)の積極的な活用」に重きを置いた網羅的なプログラムとなっています。
当日の研修にはチームに所属するほぼ全ての選手・スタッフがリアルタイムで参加いたしました。なお、やむを得ない事由により当日不参加となった選手・関係者に対しても、後日、石橋CTOによる個別の補講およびフォローアップ研修を確実に実施し、チーム全体でのリテラシーの一律底上げと例外のない規範意識の徹底を図ってまいります。
当チームは、本研修を通じてトップアスリート・プロスポーツ組織としての社会的責任を再認識するとともに、健全なチーム運営と選手育成を徹底し、バレーボール界が掲げるクリーンで安全なスポーツ環境の構築と、信頼されるリーグ運営の発展に最前線で貢献してまいります。
プロスポーツ組織としての社会的責任と高い倫理観の醸成
プロ・バレーボール選手およびスポーツクラブは、ファンや子供たちのロールモデル(見本)であると同時に、多くのファン、スポンサー企業、地域住民の重要な個人情報をお預かりする組織でもあります。
当チームでは「知らなかったでは済まされない責任」を全員が共有し、法令遵守(コンプライアンス)に留まらず、高い倫理観と確かなITリテラシーに基づいた行動規範を身につけることを目的に、研修内容を毎年アップデートしながら実施しています。
本研修における主要な取り組みと網羅された現代的リスク
ファンや関係者の信頼を守る「個人情報保護」の徹底とデータ管理
当チームでは、ファンクラブ会員データ、スポンサー企業情報、チケット購入者情報、さらには選手やスタッフのプライベートな情報にいたるまで、多岐にわたる個人情報を取り扱っています。 研修では、個人情報保護法の基本原則から適切なデータ取り扱い方法、SNS発信時における意図しない周囲の個人情報の写り込みリスク、私生活における徹底した情報管理、チーム内情報の厳秘義務について指導を行いました。
特に、コミュニケーションにおける適切な情報管理を徹底し、流出インシデントを未然に防ぐ信頼性の高いクラブ運営の基盤を強固にしています。
現代のSNS利用に伴うセキュリティと情報漏洩対策(BeReal.・Grok・ディープフェイク)
若年層を中心に広く普及しているSNSアプリ「BeReal.(ビーリアル)」は、無加工・同時撮影という特性上、強固なセキュリティを簡単に突破し、背景に写り込んだ戦術ボードや機密情報、個人情報が意図せず漏洩する重大なリスクを孕んでいます。
研修では、BeReal.の仕様やリスク、さらにはX(旧Twitter)の生成AI「Grok(グロック)」によるリアルタイム学習への懸念、アスリートを標的とした「性的ディープフェイク(画像・音声のAI悪用)」への対策について具体的な指導を行いました。
また、当チームでは、以前よりGrok等の生成AIを取り巻く利用状況を選手らへ事前にヒアリングして確認を行っており、それをもとにホームゲームの試合進行台本に反映させ、会場MCを通じて観客の皆様へ適切なSNS利用やプライバシー保護の呼びかけを実際に行ってきた実績があります。このように、机上の空論に留まらず実際の興行やファンサービスにまでセキュリティ対策を落とし込んでいる点が当チームの大きな特徴です。
その他、アカウントの乗っ取りやフィッシング詐欺、ランサムウェア等の脅威から個人情報やチームデータを防衛するため、強力なパスワード設定と二段階認証の完全有効化を義務付けています。
最新の薬物・デジタルリスクへの迅速な対応(ゾンビたばこ・オンラインカジノ対策)
スポーツ界でも近年問題視されている、指定薬物「エトミデート」を含む「ゾンビたばこ(電子たばこ)」の危険性や、法的な問題に発展しやすい「オンラインカジノ(違法賭博行為)」のリスクについて、具体的な他競技の事例を交えながら教育を行いました。
当チームでは「SNS利用・モラル遵守に関する誓約書」を締結し、違法賭博や秩序を乱す喫煙行為、およびそれらを連想させる投稿を厳格に禁止しています。さらに、アスリートとしての健康管理と規範意識を保つため、選手はプライベートを含め一切の喫煙(所持・携行・練習・遠征・試合時すべて)をNGとする厳格なルールを徹底しています。
ハラスメント防止(パワハラ・セクハラ・モラハラ)の徹底
当チームでは、ハラスメント防止をチームビルディングの根幹として位置づけています。パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、モラルハラスメントの定義を明確にし、他競技で発生した指導者によるパワハラやクラブ内での不適切言動の懲罰事例を共有。
指導者・スタッフ・選手間における相互尊重と人間関係構築の重要性を説くとともに、CTO(最高技術責任者)の石橋を窓口とした「早期発見・早期対応」の内部通報・相談体制を周知しました。
生成AI「NotebookLM」を活用したアンチ・ドーピング検証の実演デモ
意図しない物質の摂取による「うっかりドーピング」を防ぐため、生成AIを活用した検証と選手への意識付けを行いました。
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が毎年1月1日に発行する「禁止表国際基準(The Prohibited List)」の正文は、解釈の矛盾を防ぐため英語版(およびフランス語版)が優先されます。
公共財団法人 日本アンチ・ドーピング機構
国際基準
The 2026 Prohibited list
本研修では、この英語原文のPDFをGoogleの対話型生成AI「NotebookLM」にアップロードし、選手が日常的に使用するサプリメントやプロテイン、市販の医薬品の成分情報と照合させることで、禁止物質が含まれていないかを日本語で瞬時に検証・調査するデモ実演を実施いたしました。
これにより、選手自身が最新の国際基準に基づいた高度な一次スクリーニングを自律的に行える環境を整え、競技の公正性と健全性をより強固なものにしています。
問題発生時の「インシデント・ルール」と迅速な報告体制
万が一、チーム内でコンプライアンス違反、個人情報漏洩、またはセキュリティインシデント(情報漏洩やSNS炎上等)の予兆が発生した場合に備え、迅速な報告・相談体制をルール化しています。
インシデント発生時には、現場の選手・スタッフからコンプライアンス・個人情報保護対応責任者である石橋CTO(最高技術責任者)、松浦監督、原野社長、 外部取締役へと瞬時に情報が共有され、「緊急コンプライアンス委員会」の設置や事実関係の調査・確認を行います。
さらに、統括団体や関係各機関、メディアへの適切な報告・対応に至るまでのフローを明確に定めており、組織的な隠蔽を防ぎ、クリーンな透明性を維持する強固なガバナンス体制を敷いています。
今後の展望と総括
現代のトップアスリートやスポーツチームには、コート上での高いパフォーマンスだけでなく、デジタル空間におけるセキュリティ、そして応援してくださるファンの方々や関係者の「個人情報保護」に対する極めて高い意識が求められます。
ゾンビたばこや新興SNS(BeReal.)のリスク、巧妙化するサイバー犯罪、そして生成AIの台頭など、時代とともに変化する脅威に対し、従来のコンプライアンス研修では対応できません。福岡ギラソールでは、NotebookLMなどの最先端AIツールをガバナンスの武器として取り入れ、強固なセキュリティとコンプライアンス体制を構築することで、競技団体やスポンサーの皆様、そしてファンの皆様に心から信頼していただける、プロスポーツ組織の次世代モデルケースを目指してまいります。(CTO:石橋浩二 談)
